看取りの方針を建物に落とし込んだ介護施設建設の計画事例
このページは、新日本ビルドから提供されたニュースレター原稿をもとに再構成したページです。
この事例では、看取りを大切にする方針を前提に、土地探しから計画が始まりました。建物の形を決める前に、地域の中での位置づけや居室の考え方、動線の配慮をどう整理していったのか、その流れをご紹介します。
「今の拠点の近くに、入居施設をつくりたいんです。」太田市で訪問看護事業を運営されている事業者様から、そうご紹介を受けたことが、この計画の始まりでした。すでに地域で活動されている事業者様だったからこそ、建てること自体が目的ではありませんでした。そこにあったのは、どのような施設でありたいのかという明確な方針です。計画は、建物の形を考える前に、その方針をどう形にしていくかを整理するところから始まりました。
方針を形にするために、まず場所を決める必要がありました
まず必要だったのは、場所を決めることでした。計画は土地探しから始まり、既存拠点との距離、利用者様との関係性、スタッフの移動動線など、地域の中での位置づけをどう保つかを整理する必要がありました。条件に合う土地が見つかり、ようやく具体的なプランの検討に入ります。建物を建てるための土地を探すというより、地域の中での位置づけをどう保つかを整理しながら進めていった計画でした。
図面の前に、実際に動いている施設を見てもらいました
プランを検討するにあたり、まず参考にしたのは、実際に運営されている類似規模の施設でした。図面だけではなく、実際のスケール感や空気を体感することで、この規模感ならどうかという議論を先に進めるためです。ただし、同じものを建てるわけではありません。今回、何より重視されたのは、看取り介護への向き合い方でした。
居室をあえて分ける判断が取られました
そのため、効率だけを考えれば統一したほうが合理的な居室仕様についても、あえて分ける判断が取られています。認知症対応居室は刺激を抑えたシンプルな空間に、一般居室は自立支援を前提に収納と洗面台を設けた空間に、そして看取り対応居室はご本人とご家族が静かに過ごせるよう、広さに余裕を持たせた空間として整理されました。運営の思想を、そのまま言葉で残すのではなく、仕様の違いとして整理する。それが今回の選択でした。
見せないための動線まで計画段階で考えました
もうひとつの大きな判断は、動線計画でした。利用者様が死を強く意識しないよう、看取り対応居室は救急車の停車位置に近い場所へ配置し、搬送時の様子が他の利用者様の目に入りにくいよう、あらかじめ計画段階で配慮されています。目立つ設計ではありませんが、こうした小さな配慮が施設全体の空気を決めていくことが、この事例から見えてきます。
考え方を建物に落とし込んでいった計画でした
理念は、そのままでは建物にはなりません。けれど、どこを仕様として分けるのか、どこを動線で整理するのかという判断を積み重ねることで、思想は少しずつ形になります。この計画は、建てるための計画であると同時に、考え方を建物へ翻訳していく時間でもあったのかもしれません。何を守るのかを共有できれば、計画は前に進む。そう実感させてくれる施設計画の事例でした。
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新日本ビルドは、グループ会社での有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)、グループホームの運営実績を活かし、「運営する側の視点」に立った施設提案が可能です。 自社内に一級建築士が在籍しているため、設計から施工までを一貫対応。各種許認可や条例への対応にも豊富な実績があり、計画から完成までスムーズな進行をサポートします。 さらに、金融機関から評価されやすい運営会社とのマッチング支援や、介護業界で課題となる人材不足を見越した運営支援体制も強みです。グループ全体のスケールメリットを活かし、建築コストの最適化と安定した利回りの確保を目指します。
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